朝霧のフォークロア

北東北マジカル縄文ツアーへの失踪から復帰。毛髪検査だけはかんべんな。 とあまりネタの選択に成功していない気はする時事ネタでスタート。予備の電源を持ち歩かなかったこともあり、用事があるとき意外は基本的に携帯の電源もきりっぱなしだったので、世間一般の情報が全く入ってこない状態だったのだけどまあ何とかなるもんだな。まあ自分は困らなくても周りの人間は困るという話ではあるんだけど。twitterでリアルタイム現場報告でもすればおもしろそうだったのだけど、おれが行く先って電波の届かない地域が多くていまいち相性が悪いなというのは早々に気が付いたのであった。たとえ人口カバー率が100%であろうと、人が住んでいないエリアに電波が届く保証など何処にもないのだ。


どこまでいっても高速千円だぜひゃっほうなどと新潟経由で東北に向かったのだけど、案の定東北道は渋滞していて、猪苗代で一旦降りR115で福島へ抜けるルートを選択。土湯バイパスあたりですさまじい霧に巻かれたのだけどこれが翌日以降の悪天候の兆候であった気もする。まあ一回下に降りるくらいなら中条からR7で秋田に抜けるべきだったなあといまさら思うけど覆水盆に返らず。上信越でも渋滞にはまったけど高速1000円だろうが走行ラインのほうが進行が早いのはいつものことであった。


さて、人生初青森。少し悩みつつ日本海側から青森に侵入すべく北上から秋田道へ。東北の高速はなんかあちこちに延伸していてよくわからないなとか思う。まずぬる観光の一環として十二湖見学。青湖は確かに青いけど単純なえぐさランキングで言ったら、先にニアミスした裏磐梯五色沼のほうがだいぶランキング上位な感じ。多少控えめな方が雰囲気が出るというのはあるけど。本場中国のレインボーなリバーズをイメージしないように。しかしこの時期は虻がひどすぎた。なだれ白神ラインに突入して速攻でUターンをキめる。罠過ぎるよあの道。路面もそんなによくないし起伏も激しい。対向車が来たら詰みそうであったし、脱輪パンクなどしたら即死が見えたので早々に棄権することに。暗門方面からだと走りやすそうなダートが口を開けてるけど、うっかり家族連れとか踏み込んだら半泣きですまんだろ。


迂回することにより逆に時間が余ったので、不老不死温泉千畳敷と立ち寄り岩木山を横目に鰺ヶ沢街道を通って暗門の滝を目指す。さて暗門はというと、登山道が一部崩落しているみたいで二の滝までしか到達できずというありさま。二の滝までとはいえ滝すげーマイナスイオンすげーと十分堪能。と、ここで、ブナの森を見に来たはずがなぜか滝ばかり見ていた何を言っているかわからないと思うが…とJ.P氏が囁きかけてきたので帰路はブナの森を注視。まあでもはじっこの方をなめてるだけなせいかもしれないけどそれほど重厚な感じはなかったというか、わりと同じような自然森はそこらにあるよとは思った。白神山地って世界遺産的には広さ勝負なんだっけ。


しかし東北の山は全体的に外観が穏やかだよなと思う。標高が低めっていうのもあるんだろうけど、山というか小高い森というか。まあ丘みたいなイメージってわけでもないんだけど、関東以西の山と比べるとだいぶ雰囲気が違うのよね。よくある古代の山岳信仰で、山並みを蛇の背に例えるというのがあるけど、そういうのはこのあたりでは流行らなかっただろうなーと思う。狩猟採取の時代も農耕文明以降も山は産霊あるいは水霊としての信仰の対象であったのは実感としてわかりやすいのだけど、なんでもかんでも蛇体崇拝に結びつけるのも無理があるよなと。独立峰をとぐろを巻いた蛇にみたてるとかはさすがに。なんか男根崇拝とごっちゃになってる感じよね。たとえば川とか稲妻とかを蛇に見立てるのはまあ割と新しい部類だよなあというイメージはある。だいいち蛇に対する崇拝は見立てであって、信仰の対象は他にあるよとかなんとか。いつものことだけど、似たものを同じものとして扱うとか、人間の認識システムの為せる技だよなあなど。そんな感想。


白神をあとにして、「鬼は内〜」で有名な鬼神社へ。これはどこから突っ込んだものかと思う。狛魚、狛馬、狛犬もいたけどなぜか珠を手の甲に乗せているという謎のデザイン。鳥居の額束に卍マークというのも見たことないのぜ。ところで青森は全体的に両部鳥居が目立つ気がする。耐雪仕様だろうか。あと神明社と稲荷神社がすごい多かったように思う。祭神分布とかあとで確認したい。
木造駅。シャコちゃんでかすぎ。ディテール細かすぎ。たまたま電車が来たので目が光るかなと思ったら光らず。あとで調べたら、子供が怖がるので自粛している、ということらしい。どんだけ気合い入ってるんだよと思いつつ亀ヶ岡遺跡はシャコちゃん広場にいってみるとこちらは全くもってやる気なし。いちおうおまえらの言うシャコちゃんの聖地じゃないんですかおい的な。申し訳なかんじに遮光器土偶の石像が立っていたけど、木造駅を見たあとだとディテールのいい加減さがおざなり感をまんべんなくを漂わせていた。近く案内板が「←十三湖(20km)」「十二湖(74km)→」以上。とか、ただいいたいだけだろみたいな内容。


続いて高山稲荷へ。不意打ちボーナスを加えるとここが今回一番インパクトが大きかった。これどこまで書いていいんだろくらいの禁忌感。まず広い駐車場とどでかい社務所。繁盛してるんだなーというのが第一印象だったのだけど、まず何処に向かえばいいのかと途方に暮れる。案内板のひとつもありゃしないという妙な不親切さ。とりあえず階段を上っていくと本殿発見。お参りしてさらに上ると山王神社。どうやらここでいきどまり。確か千本鳥居があったはずだよなあと首をかしげつつひきかえしたのだけど、聞くと山の向こうに下った先にあるとのこと。下るのか…すげえな。とふたたび首をかしげつつ階段を上がって下がると日本庭園があり、龍神社というりっぱな社殿が目に入る。ん〜?と横を見ると千本鳥居発見。庭園の間をうねるように赤い鳥居が続く。鳥居はちょっと小さめで伏見ほどみっちりは並んでいないけど庭園の緑に赤が映える。勝手に千本鳥居と言ったものの実際は200本ほどらしい。鳥居をくぐった先に小さめのお社があり、見ると神明社との記載が。ここで三度混乱。なんのこっちゃとすこし見回すとため池と森のあいだの空き地のような場所においなりさんがずらーっとおおざっぱに並んでいるのを発見。「正一位高山稲荷神社」の標柱もここに。ここに来るまであったっけ。ここが本体? 由緒の説明なんかも何処にもなかったよな。で、さておきその奥には廃棄されたごときの社がおなじくずらずらと放置されていて、それぞれ社の中にはこれまた大小のお稲荷さんやらそれ以外のものやらが雑に突っ込まれているという。 ちょっと離れた小屋を覗いてみると陶器のお稲荷さんが棚の上にみっちり詰め込まれているとか。なんかもう鳥肌全開。ネットで検索してもあまり情報出てこないし伝わりにくいかもしれないけど、いちど行ってみるといろいろ感じるものがあると思う。公式サイトのトップ画像の冗談ぶりからしてもある程度自覚的にやってるんだろうけど。いやしかしなー。


十三湖を軽く流して竜飛方面へ。青函トンネルの体験坑道にいくつもりだったのだけど時間の問題でパス。津軽海峡冬景色の祈念碑の赤いボタンを前に、押した瞬間に石碑のうらからJASRACの人が出てきたときの対処方法を考える。しかしすごい大音量だなあれ。階段国道。これでもかと階段国道ぶりをアピールしていてどうしたものかと思った。R289山岳国道など甲子道路開通した瞬間におにぎり撤去されるほどの超ドライ対応だったというのに! すぐ近く、竜飛埼灯台までの階段に階段村道という標識があって、悪のりも大概だなあと思った。ちなみに竜飛埼の最北端には侵入できず。防衛省のレーダー基地(?)があったとさ。現実は厳しい。体験坑道に行けなかったので、竜飛側の青函トンネル入り口へ。なんかちょっとした公園になっていて、鉄オタの人はこの遊具の上でカメラを構えるんだろうなーとか思った。しかしこういう寂れた場所にある遊具類ってなんかよくわからないけど怖くてしょうがない。一体どういうシチュエーションならそこで子供が遊ぶんだよ畜生…ッ!っていう。あとで行った遠野は山崎のコンセイさまにもぽつんと雲梯がひとつだけあって、得体の知れない負の感情に飲まれたりとかした。思い出すだけで身の毛がよだつぜ…。



長くなったので一旦切る。