消失点への飛翔

まあ、季節柄除草という名の大した理由のないジェノサイドなどをしたりもするのだけど、なんつーかてんとう虫が異様に多い。ひそかに世界はやつらに浸食されつつある気すらする。アブラムシ以外を食べてるシーンが思いつかないのだけど、やつらの食糧事情は大丈夫なんだろうか。ナナホシテントウとか、星が七つで点が十個とはこれいかになどと勘違いしがちなネーミングだけど、テントウは天道であってすなわち太陽を目指すイカロス的習性に由来するものらしい。昆虫って一般的に光源と垂直方向に向かう習性があるイメージがあるんだけど、少なくとも奴らは違うらしい。やつらはもそもそとおれの体をよじ登ってくるけど、これは別におれに興味があるわけではなく、ただ太陽だけを見ているのだろう。そして登れるところまで登ったら迷いなく飛翔。やつらのあまりの思い切りの良さにおれはぞっとする。