「とらドラ10!」竹宮ゆゆこ/電撃文庫

ひさしぶりにラノベの話でも。
みんな幸せ! ということで、これにて完結。細かい内容を語るのは毎度アレだが、なにしろハッピーエンドでよろしかった。あー、あーみんだけは消化不良ね。最終巻でクローズアップされる筈も無かったけど。まぁ救われなさこそ本領なキャラではあったのかな。短編でフォロー?
まあわかりやすいラブコメではあるのだけど、特筆すべきはキャラクタのわかってる感なんだろうな。みんな自分で考えて決めて行動し、答えを出した。登場人物が皆、自分のことも周りのこともよくわかっていて、発言や行動がいちいち腑に落ちる。各人がなぜそれを望むのか、という点を除けば、最初から最後までなるべくしてそうなったと思える。気の重い展開が続きながらも、終始ストレス無く読める納得感。その辺がラノベとしてはやや異色な感じはした。ピュア悟り系作風というか、初期の上遠野浩平の読感に似てるかも。ブギーポップと戯れ言シリーズの違い、みたいな。いや、物語の構造は全然違うけど。
個人的には、ラノベといったら一世代前のポリゴンモデルみたいな模造感あふれるシチュエーションこそ本領じゃないの、みたいなイメージはあるんだよね。ラノベ人口の高齢化も進んで状況は変わりつつあるのかな。まぁ最近はそんなに読まないし、このへんの動向はよくわからないけど。