「"文学少女"と死にたがりの道化」野村美月/ファミ通文庫

いまおれにはど真ん中のラノベ成分が足りない、と決めたので適当に購入してきた。宝島社のあれを参考に上の方から攻める方針で。文学少女狼と香辛料にすべきかまよったけどとりあえず表紙買いでこっちに。ラノベの表紙は偉大なり。とらドラ!はなんとなく若年向きの香りがしたので敬遠。あとフルメタもたぶん読んでないと思う既刊3冊ほど買ってきた。そのほか中村九郎の単行本(迂闊にも補足できてなかった)、衰退しましたの2巻とか。
というわけで文学少女だけど、予定通りエロゲ文脈の香る20代向けラノベであった。思うんだけど生酸っぱい同世代のメンタルなんて好まないよな大概。高校生くらいなら小中、大学以降なら高校あたりの精神に感応するものだと思う。実感と追憶は似たようなもので必ず遅れてやってくるのだ。おれが中高の頃読んでたのってスレイヤーズとかオーフェンとかだったよ。学園ものを読み始めたのはもう少し後だったと思う。いや学園異能系は別ね。まあラノベ読む前は浅見光彦シリーズとか、十津川警部シリーズとか好んで読んでたし、ひとの嗜好なんてわかんないけど。閑話休題
ちなみにこの作品は太宰治人間失格がモチーフに使われてて、もう何作か出ているようだけど毎回文学の名作をネタに使ってるんだとしたらまあ、ちょっとずるい気はする。違ってたら平謝。肝心の暗記パン文学少女氏があまり的確に活躍していないのとか、登場必然性が薄いツンデレ琴吹氏はどうよとかいいつつツンデレかわいいよツンデレ。これでこそラノベであるよな。協議のツンデレではないが! あと続き物だし未回収の露骨な伏線とかあるけど、植物の心のような人生を送りたいと願う主人公くんの過去は見え見えだなあと思いつつ裏を掻いてくるんだろうか。一番かわいいのが主人公くんなのは女性作家の為せる技であろうか。まあなにしろおもしろかった。続きも買ってくるよ。