今朝の出来事

おそらくその店の商品であるチロルチョコ1個手に持ってレジの前に立ったおれは、おもむろに欲しくもない黒い傘を渡される。これに対し対価を支払わねばならないおれは、チョコの包装をはがし中身だけをトレイに乗せ店を出たのだけど、やたら広い駐車場を歩いているうちに強烈な罪悪感に襲われ、場面は変わる。見たことのない部屋で当たり前のようにくつろぎ、三階の窓から外出して何事もなく着地することさえ、その正しさは圧倒的現実感の前に保証されている。ひとの現実は根拠のない脅迫的な心理によってのみ維持されていて、それが狂気であるかどうかは本人には知りようがないのであった、と醒めた精神でありふれた事実をかみ締めているうちにまた1日は始まる。